アルパインも採用しているSTのハイレゾ対応D級アンプ

今日はデバイスの話題。STマイクロエレクトロニクス(以下ST)が車載向けのハイレゾ対応D級オーディオ・アンプ、HFDA801Aを発表しました。

STといえばアルパインのAVナビ、ビッグXにも搭載されているデバイス。D級アンプを搭載したオールニュー・ビッグXは昨年のオートサウンドWebグランプリでも高い評価を得て見事ゴールドアワードに輝きました。僕も試聴しましたが従来のD級アンプで感じたネガティブ要素をすべて無くして、新世代のカーオーディオの音を生み出したと感じています。

アルパイン・ビッグXに搭載されているのはFDA901という品番のデバイスなのでHDA801Aとは違いますが、同様のコンセプトのもとでHi-Fiサウンドが追求されていると思われます。SN比は121dB、ダイナミックレンジは120dBで、出力ノイズはわずか10μV。極めて高いオーディオ性能を実現しています。

LCローパス・フィルター後からのフィードバック構成が採用されていて最大80kHzの超広帯域かつフラットな周波数特性を実現できるため、ハイレゾ対応のオーディオ・システムにも使用可能。また専用のアーキテクチャの採用で必要な電圧をすべてデバイス内部で作り出すため、追加のレギュレータなしで車載バッテリーから電源供給が可能。外付け部品を最小限に抑えられるのはいいですね。2Ωの低インピーダンス負荷でも安定した性能を発揮します。

スイッチング周波数2MHzのバルス幅変調(PWM)を使用するクワッド・ブリッジ構成の車載用オーディオ・アンプで高性能D/Aコンバーターを内蔵しているので、電源オン/オフ時のノイズを発生させずにあらゆる負荷状態においてHi-Fi品質のサウンドを提供します。

さらに自己診断機能やデジタル・インピーダンス・メーター、リアルタイム負荷電流モニターを搭載しているので、AVAS(車両接近通報装置)など、安全性が要求されるアプリケーションへも利用可能。一般ユーザーが手に入れられるものではありませんが、いずれ車載機器に使われることでしょう。その時には「あっ、これがSTのD級アンプか」と思ってください(笑)